特殊用途事例
ステンレスはんだ付け
ステンレスははんだ付け可能なのか
ステンレスははんだ付け可能な母材です。
はんだ中のSnとステンレス中のFe、Niが結合して接合が完成します。
はんだ付けの難易度が高いのは、ステンレスの酸化被膜の挙動が原因です。
はんだ付け時にステンレス表面で起こる現象
ステンレスの酸化被膜はサビを防止する機能を有する一方、はんだ付けを阻害します。
はんだ付けの際、ステンレス表面では、フラックスによって酸化被膜が除去される一方、熱と空気中の酸素によって、新たな酸化被膜が成長します。このため、酸化被膜が厚く成長する前に、短時間ではんだ付けを完了する必要があります。
実際の作業
短時間で作業を行うために、十分な熱容量のはんだこて又ははんだポットが必要です。
はんだこての場合は400℃に設定し、はんだ付け箇所にこてを当てると同時に、十分な量のはんだを一気に供給した後、ぬれ広がるまで加熱し続けます。
板材などのはんだ付けにホームセンターで販売されているようなこてを使用しても熱容量が足りません。この場合は、ガスバーナーやガストーチをお使い下さい
はんだポットの場合は、250~300℃に設定し、母材にフラックスを塗布した後、素早くはんだに漬け、ぬれるまで保持します。